災害への備えとして、よく言われるのが「ライフラインの確保」です。ライフラインとは、日常生活を営むために不可欠な設備や機能を指します。具体的には、電気・ガス・水道のほか、電話やインターネットなどの通信設備、バスや鉄道などの交通機関などです。
災害時においては、特に電気・ガス・水道の供給が遮断される可能性があります。これらの確保、または代替手段の準備は、生命を維持するために必須であるといえるでしょう。
ライフライン復旧までの日数
2011年の東日本大震災で各ライフラインが90%程度まで復旧するまでにかかった日数は、電気は約1週間、水道は約3週間、ガスは約1か月かかりました。2016年の熊本地震においては、電気が約1週間、水道とガスが約2週間でした。
内閣府は都直下型地震が起きた場合の被害想定を発表しています。それによると、ライフラインの復旧日数は、電気が6日、上下水道が30日、ガスが55日と想定されています。
ライフライン確保の対策(1)備蓄
<停電対策>
停電については、「明かりになるもの」「電力を補えるもの」「情報収集の手段」といった備えが必要です。
明かり:懐中電灯、電池式ランタン、ロウソク
電力:モバイルバッテリー、乾電池
情報収集:電池式ラジオ、手回し式ラジオ
<断水対策>
飲料水の備蓄は【1人あたり1日3リットル×3日分】が最低ラインといわれています。できれば1週間分を用意しておきましょう。
その他に、手や体、衣類などを洗うための水、トイレを流すための水も必要です。ペットボトルやポリタンクに水を入れておいたり、浴槽に溜めておいたりすると役に立ちます。
また、給水車から水をもらうための給水タンクや給水袋も備えておくと安心です。
<ガス供給遮断への対策>
料理をしたりお湯を沸かしたりするために、カセットコンロとガスボンベが必要です。LPガスは電気や都市ガスに比べ復旧が早いですが、それでも点検をして安全を確認してからの使用開始となります。復旧までのつなぎとして、カセットガスボンベは少し多めに用意しておきましょう。
また、給湯器が使えず入浴ができなく間も考慮し、ドライシャンプーやウェットシートがあるとよいでしょう。
ライフライン確保の備え(2)住宅機能
電気・ガス・水道などの遮断へ備えとしては、住宅機能に災害対策を組み込む方法もあります。
例えば、家庭用の太陽光発電システムにより電気をつくり、蓄電池システムにより電気を貯めることができます。また、水道配管内タンクや雨水タンクがあれば、生活用水を確保できます。
LPガスは災害に強く復旧に役立つエネルギーです。事業所や避難所などでは、LPガスによる発電システムが威力を発揮します。

(資料出所/CFC)
